食器季節
季節の器と一汁一菜
秋庭 アート🗓 2024年10月18日
器を変えると味覚が変わる。秋の深い藍は、きのこの旨味をやさしく受け止めてくれる。
「一汁一菜」というシンプルさは、器によって豊かさが変わる。例えば秋なら、刷毛目の茶碗に合わせて、深い藍の小鉢を並べる。色のコントラストで、料理が立体的に見える。
段取りは、汁物から。出汁をとりながら、野菜を切って塩もみしておく。焼き魚や豆腐なら、最後に火を入れるだけに準備する。
テーブルの中央には、季節の葉や小さな花を一枝。視線の落ち着きどころを作ることで、食事の速度もゆるやかになる。
道具を増やすより、手入れを丁寧にする。木のまな板を湯で洗い、布巾をきちんと絞る。日々の所作が、料理の味を左右することを実感する。